第六章 代償は屍の山

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「レティア、俺にはお前が居て、ワリーフが居て、ロマノフスキー等が居る。それで大満足だよ」 「ふん。だからお前は甘いって言うんだ!」  微笑みかけるとそっぽを向いてしまう。ワリーフが小さく頷いた。 「実際のところですが、どうするんですか?」 「来いと言ってくれるならルワンダにお邪魔してみるよ。マルカから乗り替えでタンガニーカ湖まわりだろうな」  空から入ろうとして、似たような形で不利益を受けてはかなわないと肩を竦める。船だから安全と言うわけではないが、少なくとも騒動の発端を考えたら選びたくもなる。  ――河川は二百トン級を使えたな。ンダガク族に警戒を要請しよう。  先回りしてあれこれと手配を妄想するが、全てはキスマヨ方面に脱出出来たらの話である。途中参加の身だ、黙って座っていようと決めて腕を組み目を閉じてしまう。  通信担当がヘッドフォンを押さえながらメモをする。要点を捉えた内容はポルトガル語で書き出されていた。 「先行部隊が待ち伏せと遭遇したとさ。近隣の警備だろう、止まりゃしないよ」
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