第六章 代償は屍の山

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◆  ソマリア軍基地からブラヴァに場所を移した中将は、即座に会議に呼び出された。本来は対等であるのに、まさに呼び出されたのだ。  してやられて間もないので、文句はあっても分が悪い。参加を了承し、基地を少佐に任せる。幹部がことごとく自爆テロに合ってしまい、残っているのは少佐と大尉以下なのだ。  ――師は賭けに負けた、俺もイーリヤ将軍を甘く見すぎていたようだ。まさかこんなにも早くに攻めてくるとは思わなかった。それにしてもいつの間にマケンガ大佐と内通していたのか。顔を合わせたことはなかったはずだが。  原因が何かはさておいて、失敗をどうするかについて考える。島を再奪取するのは諦めていた。あれだけ有利な勢力圏内で上手くいかなかったのだ、追撃をして勝てるとはいくら彼でも思ってはいない。  気が重いが無視するわけにはいかないので、渋々扉を開けて門を潜った。 「やあ中将閣下、お怪我はないようですな」  嫌味たっぷりでアルシャバブの幹部が声をかけてくる。師が失脚したら、恐らくは兵隊をまとめるであろう次席だ。
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