第六章 代償は屍の山

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「まずは」注目を集めてから「イーリヤ将軍の一団に対処をしてからだろう。中将、部隊を集められるな」  再度戦いをするのを前提に強めに押してくる。 「……六時間もあれば」 「二時間で揃えて欲しい。最善を求めてはいない」 「やってみます。高級将校が少なくなっているので、小規模な連合になります」  大尉の中には大隊長を務められる者がいたとしても、それを越えた部隊をいきなり指揮しろとは言えない。統括が逆効果になることがあるからだ。判断の遅れや誤りだけでなく、同格からの命令を拒否する流れがある。  秘書が会議室の外をチラリと見た。そこにはソマリアだというのに、上着を羽織った黒人が複数居た。明らかな異常を感じる。 「外に不審な者が」  幹部が席を立って窓の外を確認しようとした瞬間、大爆発が起きた。それも一度や二度ではない。  アルシャバブ幹部や軍将校を狙ったが先をこされた奴等が、残る大物を狙ってやってきたのだ。実に二十を越える自爆者が一気に建物に飛び込む。跡形もなくその身を散らし、家族の生活の糧と消えるのであった。
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