第七章 キスマヨ要塞戦

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◇ 「ブッフバルト隊、ドゥリー隊は突破からの背面展開。ハマダ隊、ゴンザレス隊は右翼から包み込め!」  マリー少佐の直接指揮で街道に陣取る地元警備部隊と交戦を開始した。空挺部隊も糾合し、将校の名前を冠した分隊を人数分編制。装甲偵察車の隣にエーン少佐のみを残し、全員が参加していた。  正面からは本部とバスター大尉の隊が攻撃を仕掛ける。明らかに警備部隊は質が悪く、混乱するだけで反撃が全く行えない。精鋭兵と警備兵の差はあまりにも大きい。 「前衛部隊、敵を突破。背面に展開する」  阻止するつもりがあるのかすら解らない相手の中央を、武装したジープで通り抜けた。据付け機銃を操作する兵も、あまりに一方的すぎて驚いている。 「右翼進出しました、側面から射撃を続けます」  戦いやすさに衝撃を受ける。実戦部隊の長がどうしたらよいか、それぞれが学習した。演習のような戦いは、たったの五分と掛からずに警備部隊の全滅という結果で終了した。 「半数下車、生き残りが居たら止めをさせ」  通報されたら面倒だと、一人残らず確実に処分してしまう。
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