第七章 キスマヨ要塞戦

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「ふん。で、どうすんだい」 「うむ。俺はルワンダに行くことにする。マケンガ大佐、マルカで自由にしてくれて構わない」  部外者の彼に先に告げておく。感情を表さずに黙って座っていたが、名指しされて口を開いた。 「ルワンダですか。既に自分は目的を喪っております。閣下、ルワンダでならば自分は役に立てると思慮致しますが」  辛いことが待ち受けているのは解りきっている、それでもマケンガ大佐は申し出てきた。 「俺に協力してくれるのか?」 「アフリカでは、金と力があれば国ですら手にできます。幾つもの事例を目にして来ました。自分は今そうではない何かを感じ、惹かれております。ご迷惑でなければ」  皆の注目が島に集まる。敵対していたマケンガ大佐、どこまで信用できるか。 「大佐、聞いたように俺は不法に人を、それも大量に殺害する集団の頭だ。それだけでなく金と力で無理を押し通すような奴だよ。理想のような人物ではないぞ」 「それでも閣下には閣下の正義が御座います。自分はそれを支えたいと感じました」
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