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「今まで知らなかったんですか? ボスはとっくに有名人です」
自分は永遠の脇役です。ロマノフスキー大佐が笑いながら、今さらだと言った。
「それもそうだな。ロマノフスキー大佐、悪いが一足先にルワンダに行ってもらえないか」
「ボスの名代とは嬉しいご指名ですな。トゥヴェー特務曹長を借ります」
島の代理を任せられるのは世界に三人しか居ない。ロマノフスキーかレティシアか、グロックかだ。グロックはニカラグアで軍の建て直しに努力している、彼は正規のニカラグア軍人なのだ。
「コロラド先任上級曹長もルワンダ入りをさせておけ、リベンゲもだ」
マケンガ大佐の反応を見る、だが特に驚きもしていない。
――ひとつ役割を与えるべきだな。
「マケンガ大佐、ルワンダで我々が拠点をおくべきヶ所の選定を行え。不明な点はエーン少佐に尋ねろ」
「はい、将軍閣下」
概ね手配したところでふと気付く。
「レティア、ロサ=マリアは?」
「レバノンだ」
「そうか……落ち着いたら迎えに行こう」
「……ああ」
不憫な思いをさせている、人の親として二人は同じことを胸に抱えていた。
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