第七章 キスマヨ要塞戦

7/15
前へ
/174ページ
次へ
「今まで知らなかったんですか? ボスはとっくに有名人です」  自分は永遠の脇役です。ロマノフスキー大佐が笑いながら、今さらだと言った。 「それもそうだな。ロマノフスキー大佐、悪いが一足先にルワンダに行ってもらえないか」 「ボスの名代とは嬉しいご指名ですな。トゥヴェー特務曹長を借ります」  島の代理を任せられるのは世界に三人しか居ない。ロマノフスキーかレティシアか、グロックかだ。グロックはニカラグアで軍の建て直しに努力している、彼は正規のニカラグア軍人なのだ。 「コロラド先任上級曹長もルワンダ入りをさせておけ、リベンゲもだ」  マケンガ大佐の反応を見る、だが特に驚きもしていない。  ――ひとつ役割を与えるべきだな。 「マケンガ大佐、ルワンダで我々が拠点をおくべきヶ所の選定を行え。不明な点はエーン少佐に尋ねろ」 「はい、将軍閣下」  概ね手配したところでふと気付く。 「レティア、ロサ=マリアは?」 「レバノンだ」 「そうか……落ち着いたら迎えに行こう」 「……ああ」  不憫な思いをさせている、人の親として二人は同じことを胸に抱えていた。
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1656人が本棚に入れています
本棚に追加