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◇
「十二時の方向、六十突撃きます!」
「懲りない奴等だな、フィル上級曹長、撃退だ」
「ダコール」
配下の班、六人が二挺の軽機関銃で毎分二百五十発の弾丸を正面に撃った。給弾手が木箱を傍に置いて次々と弾を送り出す。残弾を気にしながら撃って来るソマリア歩兵の百倍の攻撃力を発揮した。
「司令、船団が見えます!」
「お、迎えが来たか。持って行けん武器は使い果たすつもりで使ってしまえ。携帯装備は使用するなよ」
途中で問題が起きて籠城が長引くより、残した武器を相手に使われるほうが面倒だと判断する。
「二時の方向、百進出!」
「サイード上級曹長、奮発してやれ」
「一度やってみたかったんですよ。分隊グレネード装填、目標正面敵、距離三百、構えー! 斉射五連、撃て!」
米軍から流してもらったM203、十人が同時に発射しては装填、それを五回繰り返す。目標になった三百メートル先は土煙で一杯になり、それが消える頃には動くものが無かった。壮絶な火力、それを見た攻め手が進軍を躊躇する。
「命令が下り次第撤収するぞ、準備だ」
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