第八章 コンゴの部族民

6/18
前へ
/174ページ
次へ
 凡そ二日の航路をゆっくりと進む、急いでもほんの少ししか短くならないからだ。途中キゴマに寄港して給油、すぐに出航した。もし方針が変わっていなければだが、ここの市長は騒ぎを起こしさえしなければ犯罪者は見逃すことにしているそうだからだ。  何事も無くブルンジの領域に入る、西側に併走する船団が居るような気がした。 「フィジ辺りからじゃないかい?」  彼女も気になっていたようで、隣の島に確認する。 「コンゴのお友達か。マリー少佐どうだ」  水上では指揮能力も上手く発揮できないが、彼を通して判断を下す。得手不得手は関係なく、指揮系統とはそういうものだ。 「ポニョ首相の手勢でしょうか。これだけ派手な動きをしていたら、いずれどこかでバレるとは思っていましたが」 「やれるか?」 「やります、それが自分の役目なので」  敬礼すると自身の指揮する船に移る。ビダ先任上級曹長を呼び寄せ戦闘の準備命令を下した、彼は水上部隊を直接指揮する下士官の長だ。満足な装備が無い、それでも志願するものが居た。 「マリー少佐、潜水部隊にも戦闘命令を」 「バスター大尉、準備不足で装備もないが」
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1656人が本棚に入れています
本棚に追加