第八章 コンゴの部族民

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「オーケー! レッツ ドゥ ディス!」  気合を入れた船頭が射撃に動じずに指示を待つ。小船を三隻脇に周り込ませる、その間に反対にも二隻。わざとマリー少佐の中型船の守りを薄くした。  ――さあ食いつけ!  高速モーターボートが三艘で中央を疾走する。が、何事か急に動きがおかしくなる。叫んでいるが言葉がわからない。 「あの小船を奪え!」  向きを変えて三艘に集中して襲い掛かる、射撃を受けて乗員が全滅した。攻撃を中止、再度離散していく。ナイフで網を切り裂き絡まっているプロペラから外す間は無防備だ。バスター大尉の潜水部隊、ボートの上に転がっている敵の武器を奪い何とか動かそうとする。  それに気付いた敵が攻撃を向けてきた、一艘が沈没する。エンジンを再始動させて二艘が水上を疾走する。据え付けられている機関砲が最大の武器だ。 「全軍高速艇の支援だ!」  最高の攻撃力を生かすために他が援護に回る。誰の功績などではなく、目的を達するために最適な行動をとる。  脇から数隻が北側へ抜けようとする、メルドゥスの船団の一部が体当たりも辞さない姿勢でそれを妨害した。
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