第八章 コンゴの部族民

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 ――エスコーラやるじゃないか! クァトロが気合で負けたとなれば先輩に合わせる顔がないぞ。  命は二の次、至上指令はドンの保護。エスコーラはギャングスターだ、軍同様に命令に否は無い。 「志願を募る。敵の司令船に突撃する者は居るか!」  距離が阻害するならば接触してしまえば良い。たどり着くまでに沈没したら負け、近付ければ勝ちだ。 「自分が!」  いつものようにビダ先任上級曹長が真っ先に志願した。そしてゴンザレス少尉、サイード上級曹長、キール軍曹、キラク伍長らがそれに続く。 「よし。小型船四隻を敵にぶつける! 高速艇は突撃の援護、他は射撃で支援だ。ゴンザレス少尉、指揮を預ける」 「ヴァヤ! クァトロの名を汚すような結果には致しません!」  北上を一時的に許す、相手の心臓部を破壊して全体を止めようというのだ。 「クァトロよりエスコーラ。司令部の撃滅に出る、後ろは頼んだ」 「エスコーラはその期待に応えるだろう」  そう目指すところは同じだ、背中を彼らに預けてマリー少佐は命令を下す。 「攻撃開始!」
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