第八章 コンゴの部族民

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◇  タンガニーカ湖とキヴ湖を結ぶルジジ河に到達する、そこからは二列縦隊で進んだ。幅は五十メートルしかない、それぞれの舷側に兵を集中させて陸からの攻撃を警戒させる。少しすると左側面に集落が見えてきたブルンジの最後の領域だ。警戒を最大にして河を右に曲がる、するとそこには多数の小型船が待っているではないか。  左手の陸地にも多数の兵士が上陸しており河べりに並んでいる。彼らが翻す旗はンダガク族のものと四ツ星だった。中型船が見えてくると一斉に敬礼して迎える。コンゴに入ったところで誘導されて一旦上陸する。 「将軍閣下、トゥトゥツァ・キヴ少尉であります。お迎えに上がりました!」 「ご苦労だ」  水上陸上の兵、合わせて千人は下らない。よくぞ集めてきたものだ。エーン少佐の手配だが、彼にやりすぎの概念は無い。 「船はそのまま河を。閣下は五号公道をブカヴまで行かれるのが宜しいかと」 「エーン少佐に任せる」 「承知致しました。後続を待って移動する、トゥツァ少尉、一キロ圏内を警戒範囲に、三キロ圏内を監視だ」 「ダコール!」
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