第八章 コンゴの部族民

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 後ろには三個大隊、ブカヴに他に三個大隊を有しているらしい。トゥツァ少佐がそう説明した。従わなかったマイマイも徐々にシサンボの元に参集してきたらしい。  ――こいつもか。だがそれで治安が保たれているのは事実だな。  エーン少佐に目で問う、予備はあるのかと。彼はアタッシェケースから一つ階級章を取り出す、島が小さく頷いた。 「シサンボ少佐、ブカヴの治安はどうだね」 「良好であります。ンクンダ将軍も地区連隊も手を出してはきません」 「そうか。コヤジア将軍の様子はどうか」  今の今まですっかり忘れていた。側近が報告しないと言う事はそのままなのだろう。 「ムアンク中尉がずっと監視しております。健康状態は良好ですが、もはや指揮を執ることはないでしょう」 「うむ。近く俺からコヤジア将軍に引退を勧告しよう。シサンボ少佐、ブカヴの治安をよく守ってくれた。その功績に報い、貴官を中佐に任命する」 「ありがとう御座います、将軍閣下!」  最早法的根拠など何処にもない。そう感じたから認めてやる、それだけだ。部隊を五千人近くにまで膨れ上がらせ、島はブカヴ・ンダガク市へ入城する。
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