第八章 コンゴの部族民

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◇ 「ムアンク中尉の任を解く」  コヤジア将軍は引退を宣言した。コンゴを去りイタリアに住居を提供し、体よく追放を完了する。憑き物が落ちたように見えた、ムアンク中尉は大分穏やかな表情になっている。 「貴官はこれからどうしたい?」 「ブカヴの民に力を貸したいと考えております」  ンダガグ族長の話では、改心したというよりはコヤジア将軍が弱る様を見て、気持ちが緩んだそうだ。経過観察が必要ではあるが、マイマイも最早無茶な命令には従わないだろう。 「そうか。望むならばブカヴマイマイを指導してみるか? シサンボ中佐が司令だ」 「受け入れてくれるでしょうか?」  過去を思いだしてしまう、そう懸念を持ったこと自体が反省の現れだと判断した。 「貴官のこれからの行動次第だろうな」 「……復帰を望みます。このままでは一族にも面目がたちません」 「ムアンク中尉に息子はいるかね」 「はい。少尉としてマイマイに」  どうすればパズルが完成するか、アフリカの特性を考えて答えを夢想する。
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