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◇
「ムアンク中尉の任を解く」
コヤジア将軍は引退を宣言した。コンゴを去りイタリアに住居を提供し、体よく追放を完了する。憑き物が落ちたように見えた、ムアンク中尉は大分穏やかな表情になっている。
「貴官はこれからどうしたい?」
「ブカヴの民に力を貸したいと考えております」
ンダガグ族長の話では、改心したというよりはコヤジア将軍が弱る様を見て、気持ちが緩んだそうだ。経過観察が必要ではあるが、マイマイも最早無茶な命令には従わないだろう。
「そうか。望むならばブカヴマイマイを指導してみるか? シサンボ中佐が司令だ」
「受け入れてくれるでしょうか?」
過去を思いだしてしまう、そう懸念を持ったこと自体が反省の現れだと判断した。
「貴官のこれからの行動次第だろうな」
「……復帰を望みます。このままでは一族にも面目がたちません」
「ムアンク中尉に息子はいるかね」
「はい。少尉としてマイマイに」
どうすればパズルが完成するか、アフリカの特性を考えて答えを夢想する。
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