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「ムアンク中尉を少佐に任じる、シサンボ中佐の補佐としてブカヴの治安を守れ」
「ありがとうございます」
「息子のムアンク少尉をトゥツァ少佐に預け、ンダガグ市との連絡役を担わせろ」
それは半ば人質でもあったが、シサンボ少佐が真面目に勤めあげるつもりならば息子のキャリアになる。自分の代では目が無いと知った彼はそれを受け入れた。
「閣下の仰せのままに」
彼らを始めとして、コヤジア将軍やンダガグ族に連なっていた将兵を、適切な地位や役割に据直し承認してやった。突貫作業で二日、三日目の朝にはンダガグ市を出発する。
水上を船団で移動する、ゴマ側には陸路で先発したンダガグ族の護衛部隊が待っている。
「ンダガグ議長、私は行かねばなりません」
「キシワ将軍の御心のままに。我等はいついかなる時でも、貴方様の為に」
「後に何か届けさせる、皆で分けて欲しい」
マルカから樹木、チュニジアからタバコ、パラグアイから大豆や農工具が山のように届き、ンダガグ市が市域を拡大させるのは四ヶ月後の事である。
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