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何事も無く、そういつもの感覚で上手くやるだろうと二人は戦闘を眺めていた。だが一進一退を繰り返す様を見ているうちに違和感を抱く。
――なんだ? 何かがおかしい。
レティシアも怪訝な表情を浮かべた。島は直感を信じて命令を下す。
「イーリヤから緊急命令だ、全軍東へ四百メートル移動しろ!」
――何かがおかしい、なんだこの感覚は!
防御を解いて居場所をずらす、隙が出来たがそれは数分で埋まる。ンクンダ軍が行き先を制限するような布陣に切り替わる。
「ボス、何かありましたか?」
「マリー、変な感じがする。あいつらどうして積極的に攻めてこない」
「戦力に差があるのにおかしいですね。何かを待っている?」
指摘されてマリー少佐も何かが変だと感じた。押せば引き、引けば押してくる。時間稼ぎをしているのが明白だ。
「警戒班より報告、東四キロ地点に伏兵!」
「西部警戒班より、市街地からコンゴ軍が現れました!」
「上空注意、戦闘ヘリです!」
「面白くなってきたじゃないか」
「包囲殲滅か。いつからあいつ等は手を組んだんだか」
――大人しくやられるつもりは無いぞ!
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