第九章 ルワンダの星

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 全方位に均等に戦力を振る向けるのは凡人の考えだ、すぐに全体を東へ振り向ける。攻勢部隊を集めて一点突破を計った。  ――そもそもがロマノフスキーは何故北からルワンダ入りをさせようとしている、そこに鍵がある。ルワンダ国内でンクンダやコンゴへの感情はどうだ、これを叩いてから入国するとしないでは結果に開きが?  戦闘をマリーらに任せてその狙いを読み解こうとする。  ――正式ではないがンタカンダ大将はルワンダで勢力を誇っている。ンクンダ将軍と敵対もしていたな。M23の後釜に将軍を派遣したはずがいつのまにかンクンダに敗北か。もしここでンクンダを退けて入国すればンタカンダ大将は俺に一目おくだろうか。  後方にルワンダ兵を並べてエスコーラがその隣に陣取る。ほぼ捨て駒扱いだが誰も文句は言わない。  ――マケンガ大佐についても俺が立場を強くしなければならん。この場でハッキリしていることは二つだ、このまま入国では話にならんこと、そして現状では対抗が難しいことだ。ではどうする。  無線機を手にしてマリー少佐に命令を下す、それは皆が予測しない一言だった。 「司令官命令だ、全軍北へ向けて進軍」
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