第九章 ルワンダの星

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「ダコール! 攻勢部隊、進路を変更だ!」  一切の反論も疑問も発さずに命令を丸呑みする。陣形が乱れた、だが強引に北へ向けて進む。ンクンダ軍が厚い防御線を敷いている。 「やる気だね、いいさ。ラズロウ、火力を北に偏重させな!」 「シ!」  ドンの護衛以外の全ての攻撃力を先頭に集中する、クァトロも同じように戦力を集中させた。外縁の防御部隊が削られていく、抵抗する火力を失い力押しに負けた。 「ハマダ中尉、ドゥリー中尉、ゴンザレス少尉、各部隊突入!」 「ボス・ジョピン、カーポ・ルセフ、進め!」  ルワンダ兵が一杯になり多数脱落していく、エスコーラの構成員の多くも犠牲になった。それでも守りに力を使わずにンクンダ軍のど真ん中を貫く。 「開けた穴に突入だ! 左右に押し広げろ!」  マリー少佐の本隊が強引に通路を切り開く、そこへ司令部の一団が進んでいく。止めきれずにンクンダ軍がついに突破を許してしまう、後方へ抜けた三部隊が反転し背中を狙って攻撃を繰り返す。 「まだだ北上しろ!」  クァトロ軍を殿にして徐々に北へシフトしていく。そのうち青い建物が多数視界に収まってくる。
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