第九章 ルワンダの星

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 ――来たぞ!  陣形を立て直して今度は防衛に力を入れる、青の建物を右手にして少しずつ後退していく。そこでは時ならぬ騒ぎになっていた。 「こちらは国連コンゴ安定化派遣団だ、武装集団は攻撃を停止せよ!」  大音量のスピーカーから戦闘停止の呼びかけが為される、だがそんなものを受け入れるわけが無い。島は怪しい笑みを浮かべた。 「国連のキャンプを盾にして速やかに北へ移動だ!」  応戦を停止して移動に専念する。コンゴ軍がようやくやってはならないことに気付く、だがンクンダ軍は一切攻撃を止めようとはしない。  正体不明の武装集団へ青い兵が反撃を始めた。たまに国際ニュースに出る戦闘がこれだとは誰も想像すまい。大火力の反撃がキャンプから行われる、コンゴゴマ連隊が大慌てで撤収を始めた。 「全軍へ通達、発砲を禁止する。国連軍の戦いぶりを観戦だ」  ――停止命令を受け入れたこちらを攻撃はしまいよ。  怒り心頭したンクンダ軍がキャンプへ肉迫しだす。乱戦模様に切り替わった。ところが何と国連軍は押されているではないか。 「だらしが無い奴等だ」  レティシアが呆れてしまう。
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