第二章 仲間の絆

4/19
前へ
/174ページ
次へ
「あたしだ」 「奥方、どう致しました」 「彼奴がブラヴァ空港辺りで行方不明になった」 「何ですって! ソマリアで……すぐに現地入します」 「サルミエ大尉も一緒だ。あちらへはオリヴィエラを向かわせている」 「解りました。大佐には自分から連絡します」  通話を終了させる。まずは何が起きているかを確認しなければならない。 「ゴメス、エーンとの連絡は任せるぞ」 「解りました。ですがシシリーのが何故ソマリアと手を?」  自分が知らない情報があれば教えて欲しいと、敢えてそう口にした。 「敵の敵は味方ってことだろ。どちらも彼奴にやられっぱなしって話だ」  ――あたしを人質にして、彼奴も捕まえて? 何を企んでいるやら。どちらにしても生きているのを後悔するような目にあわせてやる。  復讐心に燃える彼女は久方振りに血が沸いてくるのが心地好かった。平和を求めはしても、生きてきた道がどうだったかは変わらない。 「ドン、コンソルテがソマリア軍の捕虜になったと消息筋から話が」  確定まではもう少し時間が掛かるが、大分裏が見えてきたレティシアであった。
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1657人が本棚に入れています
本棚に追加