第二章 仲間の絆

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「俺も知らんな。ちょっくらボスに聞いてみるとしよう」  たまに声くらい耳にして置かねばな、笑いを浮かべてデスクの電話を使う。だが心当たりに掛けてもコールすらしない。  ――おかしいな、自宅はどうだ。  邸宅の番号を鳴らす、だがコールはしても誰も出ない。次いでサルミエ大尉を呼び出そうとするがやはり繋がらない。 「おかしい、全く繋がらん。サルミエもだ」 「大尉はボスとマルカに行くと言ってましたが」  そこへ出ていったばかりのブッフバルト大尉が慌てて戻ってくる。 「大佐、エーン少佐から連絡が。一番です」  保留になっている電話回線を拾う。レバノンからだろういつもの声が聞こえた。 「エーン少佐です」 「おう、どうした」 「閣下がブラヴァで行方不明になっております。奥方からの情報で」 「何だと、マルカではなく?」 「詳細は現在エスコーラが調べております。自分は即刻現地に入ります」 「解った。コロラドを大至急送る、ド=ラ=クロワ大佐にも連絡を取る。ついたら教えろ」 「ダコール」
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