第二章 仲間の絆

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 漏れてきた言葉で非常事態が起きていることを知った。 「ボスがブラヴァで行方不明になった。すぐにコロラド先任上級曹長を派遣するんだ」 「ヤー」  ブッフバルトに一任する。頭の中では最悪を想定し始めた。 「ファンダメンタリストの巣窟です。自分は先発とマルカに向かいます」 「チャーター機を使え、後続はヌル中尉にやらせる。マルカへの連絡は俺がしておく、すぐに出ろ」 「ダコール!」  ――エスコーラから情報を仕入れなければならんな。連邦政府の嫌がらせではなさそうだ。  海賊退治の計画を即座に凍結させて、全員に待機命令を発する。どう考えても自ら黙ってブラヴァに乗り込む理由などなかった。ならば謀略に陥れられたのが妥当だろう。元よりブラックリストに名を連ねていた、何の不思議もない。  エスコーラの秘密回線、世界のどこに居ても転送で繋がる番号に掛ける。使うこと自体が緊急なので、誰と問われることなく誰か幹部にと電話が回された。数十秒待たされ保留音が途切れる。
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