第二章 仲間の絆

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◇  農場に置かれた拠点にひっきりなしに連絡が入る。細かな情報でもすぐに本部に渡すようにと厳命されているからだ。 「ボス、秘密回線からです」 「俺に寄越せ」  ゴメスが携帯を受け取り耳に運ぶ。 「俺だ」 「クァトロのロマノフスキー大佐だ、お前は」 「エスコーラのゴメスだ」 「ボス・ゴメス。プロフェソーラに代わって貰えないだろうか」 「解った、少し待て」  どうするかはドンが決めることだと、彼女に問い掛ける。すると電話を寄越せと言うので従った。 「あたしだ」 「ロマノフスキーだ。閣下のことを聞いた、こちらにも情報を流して欲しい」 「エーンに渡すようにとさせてるよ。飛行機ごとブラヴァに引っ張られたようだ、ソマリア軍に捕まったと未確認情報がある」 「ブラヴァのソマリア軍はイスラム軍と同義だ。マルカに部隊を上陸させるのに三日は掛かる、先発は数時間で乗り込む手筈だ」 「癪に触るけどアメリカやニカラグアの外交筋から働きかけ出来ないか?」 「俺がやってみる。この回線は切らずに置いといてくれ」 「わかった」
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