第二章 仲間の絆

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「ゴメス、適当に選んでおけ」  こんなやり方が通るのは毎度のことながら驚きである。彼女だからこそ上手く行っているのは間違いない。他の誰かがやれば無視されるか投獄される。 「アルバイトをしないか、ちょっとばかり戦争するだけだ」 「そ、それは一体……」  司令官が冷や汗を流す。どこまで返事をして良いのかたじたじだ。 「自爆させる手駒は揃えた、お前らは敵と戦い勝てば良いだけだ。うちの奴等は攻めは良くても守りには不馴れでね」  反論しようにもマフィアに先手を打たれたばかりでゴメスは俯くしかない。司令官は部下から志願者百人を提供することでどうかと打診した。 「年棒は幾らだった」 「平均したら五百ドル程度でして」  少し上乗せして利益確保に走る。三百あたりが関の山なのだ。 「一人一日百ドルだ」 「い、一日百ドル!」  完全に目が点になってしまうが、一つ条件を加える。 「兵は要らん、将校下士官で固めろ。出来るな」 「はい、お任せ下さい! ソマリア駐屯司令官は知己です、現地の奴等も幾らかお雇いになりませんか?」
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