第二章 仲間の絆

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 ついには司令官から売り込んでくる始末である。  ――現地情報に明るいなら買いだ。 「そっちも同額だす。お前らの手取は別口で五パーセント出してやる、追加は出来るね」 「喜んで! いつでもご連絡下さい、プロフェソーラ」 「装備をつけてマルカに着任させろ。四十八時間以内だ」  連絡先を確保しておけ、ゴメスに丸投げして次を考える。  ――コーサノストラの奴等はどこからはみ出たんだ? 金だけで使われることはないだろ、宗教でもない。裏で糸を引いているのが誰かを探る手だてだ。  駐屯地から軍用車で空港隣のホテルにやってくる。娘が居るからだ。暫くは安全な場所に避難させるつもりだが、何処が適切か浮かばなかった。  抱きながらどうしたものかと考えていたら、老婆が祖父母はどうかと尋ねてきた。  ――だがそうはいかんのさ。いや待てよ、レバノンの彼奴ならどうだ? 介入は出来ずとも子守は断るまい。 「ゴメス、マルカに入る前にレバノンに行くよ。悔しいがロサ=マリアを避難させる」 「畏まりました。ハラウィ中将に連絡します」
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