第三章 自由区域マルカ

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「お久し振りです。今回ばかりは何の遠慮もなくやらせてもらいますよ」 「今さらなんだい。いよいよ自分達がイリーガルな存在だとわかったか」 「さあどうでしょうね。ルールの外側を歩くのは慣れてますよ姐御」  ロマノフスキーよろしく、やはりマリーも真剣さを持ちながらも軽口を叩く。必死を装うよりどれだけ皆の支えになるか。 「ルワンダから武器弾薬を仕入れてる、不足があれば持っていけ」 「お言葉に甘えさせて貰いましょう。先発は余りの軽装で風邪をひきそうな位でして」  後続が来る前に一朝事起きない保証などどこにもない。明日の今ごろ天王山を迎えている可能性すらあった。  ――捕虜にするって指令が変わる前に一気に畳み掛ける。短期間で勝負を決めるぞ。 「あたしらは軍でもなければどこぞの企業でもない。残虐な行為も止めはしない。解ってるね」 「社会として認めるわけにはいかないのでしょうが、いつも枠外で生きてるので異論はありません。まあ、ボスがよせと言うなら従いますよ」  挑戦的な笑みで今回は枷を得ないことに同意してしまう。
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