第三章 自由区域マルカ

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 ロサ=マリアの姿がなく、何故かハラウィ少佐が同行しているので、どこを経由してきたかを悟る。 「今回はエスコーラ側だな少佐」 「ああ、義姉さんを守るのが役目だ。俺の得意分野で尽力したいと思ってる」 「攻めは任せとけ、ボスは必ず救いだす」  二人は敬礼し固く約束した。目的のためなら全てに目を瞑り邁進すると。 「彼奴が居なくて金に困るようなら声をかけな、幾らでも出してやる」 「そうさせて貰います。装備さえあればというのはただの戦闘集団でしかないですからね」  クァトロは違うと胸を張る、強烈な雑用係だと。 「じゃあな。ワリーフ、アジトに向かうよ」 「はい」  黒服のオリヴィエラを案内役にして空港から離れる。周囲はかなりの範囲を警備に埋め尽くされていて、この出迎えを見ていたのは衛星からの目だけであった。  個人が曲がりなりにも国家に喧嘩を売るのだ、本来ならやらずとも結果が知れている。ところが誰一人として戦いに負けるとは、これっぽっちも考えていないのであった。
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