第三章 自由区域マルカ

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「ソマリア軍、アルシャバブのトップを残して暗殺を仕掛けます。コンソルテは、内通者に大金を掴ませ居場所を特定。救出計画と解放交渉を同時に進め、安全が確保出来次第トップも処分します」  ――居場所が軍の要塞だとしたら、こいつらじゃ役者不足だ。専門に任せるしかないか。 「良いだろう。彼奴が軍基地深くに居るようなら、奪還はクァトロに譲る。お前は軍幹部の家族を拉致してまわれ。今回ばかりはクァトロの奴等にも言い分があるだろう」 「ドンの仰せのままに」  一切の異見を差し挟むことなく丸飲みする。上が白いものを黒だと言えば、それは黒なのだ。ドンの直轄作戦で下手を打てば外されてしまう。幹部全員が厳しい表情を崩せない。 「ゴメス、要人暗殺を実行しろ。オリヴィエラ、お前は軍幹部の情報を集めろ、コンソルテの所在もだ。メルドゥス、ファミリーの編制と武器弾薬の配布を手配だ。ジョビン、ブラヴァへ浸透するルートをつけろ」  それぞれが頷き役目を承知する。 「エスコーラの掟に従い、敵対者に恐怖と死を与えろ!」 「シ!」
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