第三章 自由区域マルカ

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◇ 「義姉さん、マリー少佐から情報が」  ハラウィ少佐がかいつまんで内容を口にする。彼女は即座にラズロウを呼び出し命令を下す。 「ラズロウ、ブラヴァ空港警備職員が彼奴を拉致った。行き先は内陸らしい、詳しく聞き出せ!」 「シ」  退出するとオリヴィエラに空港警備職員を片っ端から誘拐してしまうように命じる。  空港に異変が起きたのはそれからたったの二時間後であった。営業中に黒服の集団が押し寄せてきたので、警備職員が対抗しに現れると、彼らをとり囲みまとめて捕らえてしまった。それ以外に被害はない、直ぐに警察に通報がもたらされる。 「マルカとブラヴァの間にバスを置いて拘束中らしいですね」  すぐに喋っても頑張っても未来が明るいとは言えない。 「建物に押し込むより手軽に処分出来るからな。奪還も難しいだろ、ロケットで一発だ」  激しい拷問により軍兵の行き先が大分絞られた、北西にある荒れ地の集落に駐屯地があるらしく、キスマヨ・ブラヴァ・マルカを貫通する幹線道路の付近だと座標が割れた。
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