第四章 宗教都市ブラヴァ

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 ――今晩間に合えばまず未明だろう、しかしそれでは最初から俺がここに居ると知っていて、即座に出撃せねば上手くいかない。真っ昼間にって話も無かろう、昼寝時間を狙うにしてもだ。余りに遅すぎたら全てが終わる、明後日の未明では土の中かも知れんな。  じっと考え込む島をみて「奥方が乗り込んでくるのではないでしょうか?」指摘する。 「そいつを忘れていた」  ――ロマノフスキーだけでなくレティアが仕掛ける可能性か。そちらは今夜かも知れない。より直接的に関係者を取っ捕まえてゴールに辿り着きそうだからな。  エスコーラの強引さと、クァトロの無茶をミックスして、軍基地を攻め落とすつもりならばと思考を展開してみる。  ――トップは押さえるにしても、次席以下は容赦なく奈落に突き落とすだろうな。虎の尾を踏んだと気付いた時には刃が喉元に来る、その時にどうするかだ。 「絶望に恐怖するのと、健やかなる死を迎えるのと、お前ならどちらを選ぶ?」  ろくな選択肢ではないのを承知で提示してやる。どうせどちらも選びはしないだろう。
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