第四章 宗教都市ブラヴァ

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「絶望に立ち向かい恐怖に打ち勝つ努力をします。決して自ら死を選ぶような真似はしません」 「結構だ」  満足な回答を得て大きく頷く。  ――中将がサルミエの半分も勇気を出したなら、絶望を抜け出す為に恐怖を受け入れるだろう。俺が取りなしたところで結果が変わることはないだろうがね。ソマリアでの大事件、暫く大人しくしていないと更に迷惑を振り撒くことになる。  そんな自分が身を落ち着かせることが出きる場所、どこかと考えてみる。誰もが追求するより放置した方がまだ良いと考えそうな先。  ――結局戦わずに暮らすのは許されないわけか。 「サルミエ、どうやらゆっくり出来るのは今だけみたいだな」 「出たら出たで忙しくなりますからね。で、どちらに向かうご予定で」  出国は出来ても入国が出来ない可能性が高くなる。島流しどころか陸から追い出されてはたまらない。 「俺より厄介な相手が居る国か、反政府武装勢力を追い出すと売り込みでも掛けるか」  アフリカに身を置くことを想定し、残り少ない静かな時間を過ごすことにした。
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