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防壁に二度砲弾が命中した。日乾し煉瓦が瓦解して、そこだけ櫛の歯が抜けたようになる。瓦礫を使って穴埋めしようと、慌てて兵が群がってくる。
「あの一点に攻撃を集中しろ!」
二十ミリ機関砲が重い音を響かせその辺りに向けて砲撃を行う。転がっている瓦礫をバラバラに砕きながら、左右に傷口を拡げていく。機銃は蠢く歩兵に狙いを寄せて死を振り撒いた。
「ハマダ小隊、突撃!」
カスカベルを抱えている先頭の四台が速度を上げて先行する。砲兵陣地には距離を伸ばして対人榴弾に切り替えるよう命じた。
「左右の防壁にグレネードをぶち込め!」
「四十ミリ榴弾砲準備! ……発砲!」
サイード上級曹長の指示で四人が一斉に砲撃をする、上空にうち上がった小振りの玉が割れて、小さな弾を地上に降らせた。角度があるため伏せていても背中に突き刺さり、あちこちでソマリア兵がのたうちまわる。
「黒のスーツは味方だ、攻撃するなよ!」
エスコーラの多くがスーツ姿で戦っていたので、簡単な識別を叫ぶ。いくらか違うのが混ざっていたが、そちらは間違ったらごめんなさいだ。
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