第五章 死の囁きは永遠に

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「どこだ」 「一階の反対側角部屋と、三階の南側」  ――二ヶ所に隔離したか? 「人種は解るか」 「ノー」 「何か特徴を」 「一階のは若い二人、三階のは年寄り」  ――一階のだ! 「見張りや警備体制は」 「部屋の外に最近は二人居る」 「最近?」 「普段は一人だったが、軍事教官が来てから二人になった」 「他に何かあるか」 「ベレンダシマとかいう商人が一組滞在している」  ――ベレンダシマ? ……ブレンドシマ、フレンド島か! 「何人だ」 「四人」 「どこに居る」 「三つ隣の部屋に」 「よし御苦労だ」そこで言葉を区切り、スペイン語で「処分しろ」命じると、銃剣で素早く五人を刺殺してしまう。  戦闘要員は外に出て戦っているのだろう、廊下には見張りが居ない。 「三つ隣の部屋だ」  素早く場所を移り気配を探る。息を殺しているが誰かが居るのがわかった。コンコンコンコン、四回ノックして「クァトロ」呼び掛けると「エーン」言葉が返る。  ――少佐のグループだ! 「ブッフバルト」  扉の先に聞こえる程度に抑えた声量で反応すると、ゆっくり扉が開かれた。
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