第五章 死の囁きは永遠に

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 四人を中に招き入れる、兵らは見たことがない人物だったようで、敵と勘違いして一瞬だが顔をひきつらせた。 「エーン少佐、落下傘降下で四名がここに、三十八名が軍基地に、残りとエスコーラが交戦中。一階反対に若い外国人二名が、三階に老年外国人が居り、軍事教官が赴任しているようです」  知り得ている情報を吐き出し、指揮下に入ると宣言した。兵は黙って従う。 「マケンガ大佐が軍事教官だ、三階のがそうなのだろう。閣下は傍にいらっしゃるようだな」  部屋には購入した小銃が四挺あり、いつ動くべきかと機会を窺っていたようだ。エスコーラが攻撃を掛けてきたのは解っていたが、クァトロがやってくるのに合わせるつもりでいたらしい。 「マリー少佐が正面を抜いてくれるはずです。脱出が困難でしょう」 「それだが、マケンガ大佐に一肌脱いでもらおうと考えている。まずは閣下と合流からだ」 「ダコール」  反対の部屋と言ってもかなりの範囲がそうだ、見張りが残っていたら解りやすくて逆に有り難いくらいである。案ずるより産むが易し、移動しようとフィル上級曹長を先頭に動き始めた。
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