【side・千】

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「ごめんな……」 寝ている相手に謝っても仕方ないが、色々な意味を含めた言葉をかけそっと部屋を後にした―――。 ――アパートに戻り着替えないままベッドへ倒れこんだ。 するとフワッとハジメのにおいが。 アイツのベッドに寝ていたせいで体ににおいがついたみたいだ。 バカだとは思った。でも止められなかった。 自分の体を抱きしめるとその香りを強く感じた。 腕からも服からも。体中からハジメのにおいがし、まるで抱きしめられているみたいだ。 胸の奥底にしまっていた気持ちが溢れだし、自分の体を抱きしめ悶々とした夜を過ごした。
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