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ピピピピ
朝のアラームが鳴り、ハンは腕をのばした。
いつもよりすっきり目覚めた気がする。
それになにより、この温かさはなんだろう。
柔らかくて、ずっと抱きしめていたい。
すりっと頬刷りをし、それに顔を埋めると、やっと疑問がわいた。
じわじわと昨日の記憶が蘇る。
確か、昨日はチョコを渡して、一緒に・・・・。
おそるおそる状態を確認すれば、シキの体に覆いかぶるようにして寝ている自分の姿。
シキの左手は落ちないようにハンの腰にあてられ、顔をみれば、少し口をあけ寝ているシキの寝顔が目に入った。
「大丈夫です。何もしませんから。」
昨日のシキの台詞を思い出す。
現金ながら、その台詞で安心してこうして眠りについてしまったようだ。
「重たく、ないの?」
小さい声で聞いてみたが、返事はなかった。
ずるい人間。
再びそう思い、距離を0に縮めた。
とても心地がいい。誰かとこうして寝るなんて、久しぶりだった。
いや、こんなに密着し、何もないなんて事があるのだろうか。
もし相手がヨンなら・・・。
不埒な考えさえよぎる。
少しはだけたシャツから見える鎖骨をそっと撫でてみた。
実はずっとこの鎖骨に触れてみたかったのだ。今までそこを魅力と感じたことはなかったのに、ジムでみせるシキの鎖骨がやけに官能的に思えた。
まだ、目を覚まさないで。
そう願いながら、ハンはこの人肌を求めた。
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