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「しかし奥さま、必要なものがあれば私たちが用意しますので、この様な不審者を近づけるような事はおやめ下さい。」
「おだまり。そんなの私の勝手でしょう。」
…VIPのほうか、な?…
崩れ落ち、腹の中身をぶちまけながら、会話の様子からそんなことを考えていた僕に、奥さまと呼ばれた女性が、ハンカチを差し出す。
「だいじょうぶですか?」
「…はひ、なんとか…」
顎ががたがただった。
「これ、品物の料金と お詫び代です。どうぞ。」
差し出された札束…
なんだか少し、むっと来た。
「商品の代金だけで結構です。あとはお気付かひなく。」
…奥歯がゆれている…
僕は言ったとおり 商品代だけもらい、車に戻るとエンジンをかけて、その場を後にした。
…いってー、早く冷やさないと…
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