約 束

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署に戻った渡辺は、院長と斎藤みどりを別々の取調室に入れた。 渡辺は、田上に報告しに。 田上は、電話中であった。 「はい、約束通りに・・・」 電話が終わった田上に 「課長、連れて来ました」 田上は上着を着て、 「斎藤みどりは、俺が話しをする」 「え、はい」 渡辺の後をついて取調室に向かった。 「ここです」 渡辺がドアを開け、田上が中へ入る。 中には、凛とした斎藤みどりが座っていた。 「手錠を外せ、早く!」 田上の命令で、彼女の手錠が外された。 机を挟み向いに田上が座り、聴取が始まる。 「斎藤みどりさん。本名ですか?」 彼女は静かに返事をした。 「はい。本名です」 田上は慎重に話し始めた。 「斎藤みどりさん、私は課長の田上です。実は、あなたの上司と連絡が取れまして、殺人事件の情報については警察に協力する事になりました。もちろん、我々の情報も提供致します」 「上司に確認させて下さい」 「そうですね、確認取った方が良いでしょう。彼女の携帯を」 彼女は上司に連絡をして、田上の内容を確認した。 「田上さん、上司に確認取れました」 斎藤みどりは、ホッとした表情になった。 「それでは、こちらからの質問に答えて頂けますね」 「はい」 田上は質問を始めた。
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