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魔法がとけた頃に
魔女がふと鏡を目にすると
鏡からの返答代わりが
映し出されていた
鏡に映っていたのは
魔女の昔のままの姿
それは 彼女がまだすべてを信じて
すべてを愛していた
心美しきときの姿
そしてその隣には
見覚えのある人の姿が
忘れられなかったはずなのに
忘れてしまった
大切な記憶
心の片隅においやってしまった
ほんとの想いが
魔女の身を焦がす
楽しそうに微笑んで
見つめ合うふたり
しばらくして
ふたりの影は消え去って
現れたのはただ
自分のさっきよりも老けた
大粒の涙を流す姿
鏡の魔法は消え去って
ただ普通の鏡に戻ってしまい
もう何もこたえなかった
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