茶色い愛のカタマリ

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「お待たせしました。 千波スペシャルversion…………いくつだっけ?」 「17。これが17種類目だよ」 2015年2月14日。 私とシンタくんが交際を始めてから2回目のバレンタインデー。 いや、正確にはシンタくんがお店を閉めてからの2人の時間だから、日付は変わってしまっている。 でも、そんなこと気にしない。 そして、今夜だけは真夜中スイーツを解禁してしまおう。 1年前のこの日は私にとって一生忘れられない1日になった。 改装したお店を一番に見せてもらって、他にもシンタくんからたくさんのサプライズプレゼントを貰った。 その中には私のためだけに作ってくれたオリジナルカクテルもあった。 その名も " 千波スペシャル " 。 『これから先も記念日の度に新しいカクテルを作ってやるよ。 でも、その都度新しいのを付けるのは無理そうだから、カクテルの名前は全部 "千波スペシャル" で勘弁してね』 そう言って苦笑いしながらこれから先、100でも200でもオリジナルカクテルを作ると言ってくれたシンタくん。 『これから先、そんなに記念日なんてある?』 嬉しかったのに照れくさくて憎まれ口を叩いてしまった私。 記念日は1年で17回もありました……。
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