茶色い愛のカタマリ

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昨年の初夏に私も無事に二十歳を迎え、アルコール解禁になった。 だからそれ以降の千波スペシャルもアルコールが入ったものになっているけど、シンタくんは私が徐々にお酒に慣れるよう、ごく弱いものから作ってくれていた。 シンタくんはお酒の飲み方を私に厳しく教えてくれた。 絶対に一気にたくさん口にしないこと、少しでも体調に異変を感じたら必ず飲むのをやめること。 それでも私が調子にのって自分を過信したようなことを言うとものすごく怒る。 「ごめんなさい。ちょっとずついただきます…。無理もしません…」 上目使いでシンタくんを見ながらほんの少しだけカクテルを口に含んだ。 いつもよりちょっと苦味のある、だけど後味の爽やかさが心地いいお酒だった。 「……いつもより辛口だけど、さっぱりして美味しいです」 「辛口とか、いっぱしの口きくようになったじゃない。 それ、ほぼ白ワインだから。ちょっとだけリキュール垂らしたけど」 「へー、白ワインなんだ。 …………ていうか、シンタくん最近お兄ちゃんより恐いかも…」 口を尖らせた私をクスリと笑って、シンタくんは私の頭をちょっと乱暴に撫でた。 「仕方ないでしょ。千波が可愛くて心配で仕方ないんだから」 「うう…………」 そう言われたら、何も言い返す言葉なんてないじゃないか。
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