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ガラガラガラッ、ドンッ!
地響きのような音が、広い体育館の中に響いた。
中にいた人たちは、驚いた様子で入り口のドアに手をかけ息を切らしている虹子奈を凝視した。
「お、遅れてごめんなさい…。」
虹子奈はリンゴのように顔を赤くし、おずおずと空いている席に座った。
その瞬間、少しハスキーの低音の声がマイクを通して聞こえてきた。
「これより、第50回入学式を開会いたします。ご起立ください。」
という声とともに、ザッと椅子の音が鳴り響き、一斉に立ち上がる。
虹子奈は少し遅れ、慌てた様子で立ち上がった。
「生徒会員の言葉。」
司会がこの言葉を発すると、舞台袖から女やら男やら、生徒会の人達が洗礼された歩調で出てくる。
しかし、その生徒会の人達が異常であった。
何故かというと、目立つ赤毛の人がいたり、青髪の人がいたり、紫髪の人がいたりしていたため、他の人とは違うオーラを醸し出してるような気がする。
その前に、これがこのような色が地毛ならいいが染めているのなら校則違反なのでは…?
それともう一つ、他とは違うところがあった。虹子奈達にはないチェック柄のケープを羽織っているのだ。歩くたびに風になびいていて、どこかかっこいい。
「(ケープ…?あれ…どこかで…?)」
その時、6人位の生徒会の人達に少し遅れて、1人の少年が現れた。
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