2章 宇宙(そら)の救い手

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「せんぱ~い、どこですか~?」 広い空間に少し幼い感じのする声が響き渡った。 その声に数人の年長者が作業の手を止めて顔を上げたが声の主を見ると作業に戻った。 「ったく、14時には上がってくるって話しだったのに…これだから……」 ブツブツと恨み節を唱えてながら進んでいたがその言葉はすぐに止めるのだった。 「探しましたよ、大尉殿」 「うん?」 機械油に汚れた作業服に修理工具を手にしながら『大尉殿』と呼ばれて振り返った男に呼び掛けた方が畳み掛けた。 「今日は私達が15時から待機勤務の番ですよ」 「分かってるよ、でもまだ大丈夫」 「もう14時半ですよ」 男の言葉を遮って手にしている電子端末の画面を突き出した。 そこにはデジタル文字で14:26と表示されていた。
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