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叫んでしまった。後輩はニコニコ笑いながら言う。
「ということは先輩もなんですよね? 先輩はエロエロ先輩なんですね」
「名前みたいに言うな。そういうのならそっちもエロカワイイ後輩と呼ぶぞ」
「なんなんですかそれ、語感が悪いですね。普通に可愛い後輩でよいです」
「じゃあ、僕のこともカッコイい先輩と呼べい」
「嫌です」
「普通に断られた。もっと言葉の脚色はないのかい? ほらほら」
「先輩は、先輩で言いと思います。先輩だって一度は夢見たんじゃないですか、後輩の女の子にせんぱーいと呼ばれる光景」
「残念だったな、僕にそんな願望はない、僕にあるのは、幼なじみが朝、窓から入ってきて、ほら、朝だよ、起きてって展開だけだっ!!」
「ありえませんよ。不法侵入ですよ。警察に通報されますよ。漫画だけの展開に夢を見てもかないませんよ」
「否定っ!! 全否定っ!! いや、あるっ!! 夢を夢で終わらせないのが夢なんだっ!!」
「先輩、幼なじみいるんですか?」
「言うなーっ!!」
夢は叶わず、僕は机に突っ伏した。真面目な話をしようにもなんだか照れくさくなりやめてしまう。後輩の辛辣な一言に見事にノックアウトされてしまう。それが僕だった。
「そういえば先輩、この前、回るお寿司に連れて行ってくれましたよね」
「あ? ああ、釣りに行ったあとな、釣りしたんだし、お寿司でも食おうぜで行ったな」
僕の奢りだ、腹一杯食えと大見得きったら本気で腹一杯、食って財布の中身を空っぽにされたんだった。今ではいい思い出だけれど、正直、辛かった。
「先輩のご好意といこともあって甘えてしまったんですけれど、先日の節分の一件もちゃんと謝罪してなかったなーと思いまして」
「そんなこと気にするな、そのあと、うまい海苔巻き食わせてくれだろ。それでチャラってことにしようぜ。僕もなんだかんだ言って豆を投げて遊んでたし」
あまりこういうことを言うと揚げ足を取られそうで言いたくはないが、後輩の手作り海苔巻きはめちやくちゃ美味しかった。
「いえダメです。許しません、許せません」
「許さないのはわかるけど、誰を許さないんだ?」
「私です」
きっぱりと言い切りやがった。自分を許せないってなんだよ。何を許せないんだよ。僕に豆を投げつけたことか? 少しは反省する気持ちはあったんだな。
「まだ、節分のやり残しがあるんです」
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