俺とヒメラギ

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あー、死ぬな俺…… きっと、そんときの俺はそんな事を思ってたんだ その日の俺は朝から咳が酷かった でも、こんな腐った世の中に汚染されてた俺の頭ん中の味噌っかすは無意識に自分に囁いた どうせ風邪さ 気にすんな まーた上司にどやされるぞ 社会の歯車ってのは体調管理すら儘ならない……組み込まれたら最後、 錆び付いて、 ガタがきて、 ポロリと外れるまでそのまんまだ あーあ、憂鬱な世界に生まれちまったなあー なんて考えながら電車の吊革に体重を放棄して、窓から流れる景色を見てたんだ そしたら突然俺の体は吊革から外れ重力に負けて崩れさった……おいおい、吊革さん仕事してくれよ 咳が酷かった、肺の中に今はもう映らないブラウン管を入れてるみたいに、咳に合わせてザーザー音がした 苦しい、俺はどうやっていつも呼吸をしてたっけか……乱れに乱れたペースを普段通りに直そうとすればするほど、頭のなかはごっちゃになり更に呼吸がしづらくなる 動物って、呼吸なんてこんなに難しい事を当たり前にやってるのか。 その時の俺は本気で思ったね 後は簡単さ、酸素が足りなくなって俺は気絶 (あーあ、俺死んだな) でもそこは流石友愛の国ニッポン、気づいたら俺は病院のベッドに横たわっていた。他の国じゃこうはいかないね 俺をここまで運んできてくれた人はもうどこにもいなかった、名前も顔も知らない人に心から感謝した まあ、ツイッターで呟けばこの感謝の気持ちは届くのかね?
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