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そんな九鬼さんのお城である
マネジメント部のある区画に
足を運ぶと、
会議室にはすでに
電気が点いていた。
「おはようございます、失礼します」
コンコンとドアをノックし、
ドアを開けた──瞬間。
そこには、信じられない光景が待っていた。
「──……!」
奥で、
窓の桟にもたれ
怠そうに煙草を咥えたTAKUMI。
その足元で、
膝を崩して座り込んでいる
女の人──は、
君原さんだ。
TAKUMIは、
君原さんの結い上げた髪を
掴むようにしてぐしゃぐしゃに
乱してしまっている。
それを見た瞬間、
あああれは君原さんに
そうする時の癖だったんだ──と。
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