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真っ暗な絶望が、
自分の眼球の裏側に
バシャリと
ぶちまけられた気がした。
誰の手によってって、
そんなのTAKUMIに決まってる。
君原さんは驚いた顔をして、
座り込んだまま
口を押さえて俯いているけど。
その顔がたった今まで、
TAKUMIのお腹の下に
埋められていたのを、あたしは見た。
「……あー。もう、そんな時間」
鬱陶しそうに、
TAKUMIは紫煙を吐き出して
天井を仰ぐ。
そうしながら、
煙草を持っていない方の手で
君原さんを遠ざけた。
煙草を咥え、
両手で股間のファスナーを上げて、
TAKUMIは何事もなかったかのように
ベルトを締め始める。
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