猛然と下される制裁

34/39
1482人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
  ボトンと小さな音がして、 自分が会議室のカーペットの上に バッグを落としたのに気付いた。 「……すみません。 ノックは、したんですけど」 言いながら、 のろのろとバッグを拾い上げる。 下を向いた瞬間、 重心が持っていかれそうなほど ふらついてしまう。 並ぶパイプテーブルに 慌てて手をついて、 ゴロンと頭から転がるのだけは 阻止できた。 ……おかしいな。 自分の身体のはずなのに、 うまく使えない。 こんなこと前にもあったな、 と感覚が危機を訴えてくるけど、 それがいつのことで、 どんな時だったかうまく思い出せない。 .
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!