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ボトンと小さな音がして、
自分が会議室のカーペットの上に
バッグを落としたのに気付いた。
「……すみません。
ノックは、したんですけど」
言いながら、
のろのろとバッグを拾い上げる。
下を向いた瞬間、
重心が持っていかれそうなほど
ふらついてしまう。
並ぶパイプテーブルに
慌てて手をついて、
ゴロンと頭から転がるのだけは
阻止できた。
……おかしいな。
自分の身体のはずなのに、
うまく使えない。
こんなこと前にもあったな、
と感覚が危機を訴えてくるけど、
それがいつのことで、
どんな時だったかうまく思い出せない。
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