~はじめに~

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今回、僕がこの小説を書こうと決めたのには幾つかの理由がある。先ほど、言ったが知人からの「売れる」という言葉にも、正直少なからずの欲が込められているが本当の理由は違う。僕が今回、この小説を世に出そうと思った本当の理由は、きれいごとに思われてしまうかも知れないが、犯罪を犯すとどうなるか、どんな辛い想いをするのかということを僕の体験談をもとに一人でも多くの人に知って頂きたいということである。多分、普通に生活をしていれば、まず犯罪者になることはないだろうと思う人が殆んどであろう。確かにその通りである。しかし、普通に生活をしていて絶対に犯罪者にならないという保障はない。例えば、車の運転をしていて、自己の不注意や相手の不注意で他人を死亡させてしまったなどの場合でも、自動車運転過失致死罪が適用され世間では犯罪者扱いとされてしまう。また、もっと身近な例としては、例えば会社の同僚や友人など、お酒の席で仲間内、他人と口論やトラブルとなり、その結果傷害や暴行といった犯罪に繋がる例も少なくはない。普通のサラリーマンが酔った勢いで電車のホームから一般人を突き落とし殺人未遂罪に問われた事件なども実際に発生している。いつ、どこで、誰が犯罪者となるかは分からない。些細なことが、大きな事件に繋がることもないとはいえないからである。この小説によって、一人でも多くの人に犯罪に対する知識などを認識して頂き、犯罪のない社会になって欲しい、若しくは少しでも防犯的効果を発揮して欲して社会の役に立って欲しいという強い思いを込めて今回書いたと言うのが本当の理由である。実際に犯罪を犯し、犯罪者となった僕が言うのも説得力に欠けるものがあるが、実際に犯罪者となり刑務所生活という苦い経験をした僕だからこそ強く訴え掛けたいことがある。普通に考えれば分かることだし、当たり前のことだが、例えどんな事情や理由があろうと絶対に犯罪を犯すべきではない。まして、刑務所なんて所は絶対に行くべきではないということである。現在、この日本国内では必ず毎日どこかで犯罪による検挙者が出ているのが現実である。本人の身勝手な行為による犯罪もあれば、やむを得ず行ってしまった犯罪など動機は様々である。しかし、先ほども言ったが、どんな事情や理由があろうと絶対に犯罪を犯して欲しくないというのが、僕の心からの願いであるし、罪を償うということが容易な事ではない
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