みちのしたひろたって、語呂が悪いですよね。

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「わっ! すみません、大丈夫ですか?」  目の前には黒髪ツインテールの子が立っていた。 「ゆうきじゃん……どうしたの?」  恥ずかしそうにもじもじしながら、そこにいたのは同じ高校だった、同級生のゆうきだ。  それにしても……ゆうきはいつも可愛らしいフリフリの恰好だけれど、今日はまた……一段とフリルがすごいスカートだ。厚底編み上げのブーツからはニーハイが覗いている。その比率は多分完璧なはずだ。しかし、そんなフリフリ、座るときごわごわしないんだろうか。 「とっ、突然ごめんね。今日引っ越しだって聞いてたから……」 「まあ、正確には荷物だけ今日送って、出発は明日だけどね」  それきり、ゆうきは黙り込んでしまう。  中で信と父が様子を伺っているのが痛い程わかる。 「そっか…………あの」  ゆうきが、何かを言いかけた時に、信の声が聞こえた。 「ねーえ、裕太。そこで立ち話もなんだから、一緒に行けば?」 「はあっ??」  ゆうきは、信の暢気な声に救われたような顔をする。  はあ…………面倒なことになった。いろいろと。 「こんにちは……」 「こんにちはー。裕太の友達?」 「はい……白田ゆうきといいます」 「ゆうきちゃんかーー。裕太にこんなにかわいいガールフレンドがいたなんて……ねえ、道さん」 「そうだな」  ガールフレンドって……信さん、昭和かよ。
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