気持ち

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 そんな決心をしておきながら、いざとなると怖くなってしまいコンビニから足が遠のいた。  結局次に道と会えたのは土曜日の公園だった。  その日は午後から雨の予報がでていてバイト明けの9時過ぎにはすでに重たい雲が立ち込める曇り空だった。  少し肌寒さも感じる位だったから公園には誰もいないだろうという予測を裏切って道親子の姿が見えた。  自分の決心思い出して心臓が跳ね上がる。この間の決心はどこへやらで足が竦む。  怖気づいて通り過ぎようとしたときに砂場にいたぴー太にも気付かれた。 「しんくーん!」  そんなに子供は得意じゃないと思っていたのになんだかぴー太には随分懐かれて、いつも顔を合わせるとしばらく離してくれない。  今までそれは嬉しい誤算だったけれど今日に限っては気が重い。  それでもぴー太に手を引かれ、砂場に行くとお城を作りたいというので一緒に作った。  気持ちとは裏腹に今日もかなりの出来栄えでぴー太は大喜びしている。  今日も結局自分も楽しんでしまったなと思いながらも覚悟を決めて手を洗って道の隣に腰掛けた。 「バイト明けだろ? ごめんな。ぴー太が引き止めちゃって」 「いいんです。ここでぴー太と遊ぶ時間、結構楽しいです」  いつもみたいに次々話しかけることができない。これから行うことを思ったら心臓が破裂しそうだった。  道さん、と声をかけると道がこちらを振り向いたのがわかったが、怖くてそちらを向けない。 「道さんて、付き合っている人とかいるんですか?」  自分の発した言葉によって道の気配が少しだけ硬くなったのがわかる。足を踏み出してしまったことに後悔をしたがもう遅い。  少し間をおいて道が口を開いた。
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